2018.09.14

【精油の抽出法を解説】第1回 最もポピュラーな「水蒸気蒸留法」

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アロマテラピーで欠かせないのが精油。自然のままの植物の香りを集めたものです。

デスク周りやお部屋で香らせる時のまさに主役。たくさんの種類が売られています。

これらの香りはどのように植物から取り出しているのでしょうか?

今回から4回に渡り、精油がなぜ作られ、植物やお花などからどのように抽出しているかについてご紹介します。

1回目は最もポピュラーな抽出法といわれる「水蒸気蒸留法」について解説していきます。

植物はなぜ精油をつくる?植物にとって「香り」とは?

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まずは植物が精油をつくる理由を解説していきましょう。

例えば花の香りは、昆虫や鳥などを呼び寄せ、蜜を吸ってもらうことで受粉を助けてもらっています。

植物は自分で歩くことはできませんから、仲間を増やすためにはやはり動物や鳥などの手助けが必要です。

果実の甘い香りで誘い、食べてもらうことで、種を別の場所へ運ぶことができます。

その一方で、植物は香りを出すことで、害虫を除けたり、病気から身を守る抗菌・殺菌効果を発揮したり、他の植物を生えにくくしているともいわれています。

代表的なのがユーカリで、林の中はほとんど他の植物や雑草が生えません。

このように植物にとっての「香り=精油」は、子孫繁栄の手段であり、自らを病虫害から守るなど、重要な役割を担っているといえます。

植物のどこに精油が含まれてる?効率よく取り出す方法は?

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植物の中に「香り=精油」はどこに多く含まれているのでしょうか。

植物の種類によってまちまちですが、葉や木部、根っこ、花、果物、種子、樹脂(木を傷つけたときにでてくる樹液が固まったもの)などにあります。

これらの部位に含まれている精油は、だいたい200℃以上に熱しないと出てこないものが多いのですが、加熱温度が高すぎると焦げ付いたり、匂いが変質してしまいます。

そこで水蒸気(蒸気圧)を活用し、100℃台でも精油成分が気化して取り出すことができる方法を考えだしました。これを「水蒸気蒸留法」といい、精油を取り出す最もポピュラーな方法になっています。

水蒸気蒸留法のメカニズムは?

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水蒸気蒸留法とは、蒸留釜といわれるタンクの中に、植物(あるいは花)と一緒に水を入れます。水に浸す場合と、せいろ蒸しのように植物の間に蒸気を通す場合など、方法は様々です。

このタンクを加熱し、水蒸気とともに揮発してきた精油成分を冷却器に通し、液体に戻った水とともに別の容器に移します。

精油成分は水に溶けにくいという性質を持っているため、水の上に油膜として浮かびます。

この上澄みを取り出し、瓶詰めされたのが精油(エッセンシャルオイル)。

この時、植物の中にある水に溶けやすい香り成分は、蒸留後の水に残ります。この香りのついた蒸留水がフローラル・ウォーター(ハイドロゾル)と呼ばれているものです。

ハーブショップ等で売られている「ラベンダー・ウォーター」や「ローズ・ウォーター」などがそうで、そのままスキンケアやお部屋の香りづけなどに利用します。

精油とハーブティーはどう違う?注意点は?

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例えば、ペパーミントやレモングラスなど、ハーブティーとして飲む場合があります。でも精油になった場合は飲むことはできません。

精油は植物の中に含まれる香り成分が、100倍以上に濃縮された状態で抽出されています。瓶から直接香りをかげば一目瞭然。元の植物とは異なり、大変強い香りと感じます。

また精油は、水に溶けにくい性質の成分だけを取り出したもの。

ハーブティーは水に溶けやすい成分が抽出されており、まったく同じものではありません。また、飲用できるのは、使われている植物の量がごくわずかです。

このことから精油を利用するときは1~2滴でも十分。たくさん使うと効果があるわけではなく、適量が大切なのです。お醤油やお塩の使い方と同じですね!

次回、2回目は水蒸気蒸留法では取り出せない、さらにデリケートな香りを持つ果物から精油を取り出す方法「圧搾法」についてご紹介します。