2018.09.18

【精油の抽出法を解説】第2回 柑橘類の香りを取り出す「圧搾法」

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アロマポットやディフューザーで香りを楽しむときに使う精油。

この心安らぐ香りは植物が生み出した自然の芸術作品です。

これらの精油を植物から取り出す方法を3回に渡って解説。1回目は最もポピュラーな「水蒸気蒸留法」について説明しました。

2回目は、熱に大変弱く、デリケートな香りを持つ果物の香りの取り出し方「圧搾法」についてご紹介していきましょう。 

果物の香りは果皮の表面に貯められている

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みかんを食べるときに皮をむくと、とてもフレッシュな香りが立ち上ります。

それは、果皮の表面に精油成分が含まれているからです。皮の表面を爪などでこすると、油膜のようなものが浮かぶのがわかります。

実はフルーツの精油は大変デリケート。熱が加わると香りがすぐに変質してしまいます。

アロマポットで柑橘系の香りを炊いてみてください。明らかに、瓶からティッシュに垂らした場合とでは、香りが明らかに違うことがわかるはずです。

このため、果物の香りを取り出すには水蒸気蒸留法は不向き。

そこで考え出されたのが、機械で果皮を絞って取り出す「圧搾法」です。

圧搾法とは?抽出に熱が加わらないための工夫とは?

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昔は手で果皮を一つ一つつぶし、スポンジで吸い取り、抽出していました。

現代では、エキュエルと呼ばれるとげとげのついた機械で果実を丸ごと絞り、果汁はジュースとして、上澄みに浮かんできた油分を香料として取り出しています。

ところが、機械は動かすと摩擦で熱を発します。

先ほど、果物の香りは熱が加わると台無しになるといいましたが、絞る際に熱が加われば同じことです。

このため、精油を取り出す場合は、機械を冷やしながらゆっくり絞る「コールドプレス(低温圧搾法)」がとられます。

自然食品などで売られている植物油にもよく「低温圧搾法」と書かれている場合がありますが、こちらも栄養価をできるだけ壊さないようにするために取られている方法です。

抽出するのに時間と手間がかかるため、価格が高くなってしまいます。でもその分、栄養価の高い、風味のよい油がとれるので、私たちの健康にもプラスといえるかもしれません。

柑橘系の香りは保管方法に要注意!

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柑橘系の香りは、先ほど熱が加わると変質してしまうといいました。

このため、キャンドルなどで熱したり、アロマポットで熱を加えて拡散する方法には向いていません。

できれば超音波などで振動させて拡散させるディフューザーや、竹ひごディフューザー(リードディフューザー)がおすすめです。

また、柑橘系の香りはテルペン類(炭化水素)という酸素と結びつきやすい成分がたくさんふくまれています。

このため、酸化(腐る)が早く、ボトルを開封したら3か月以内には使い切ることをおすすめします。

もちろん暖房の風が直接当たる場所や、日当たりのいい場所に置くことも厳禁です。

部屋の中で冷暗所保存を徹底しましょう。冷蔵庫で保管も悪くありませんが、出し入れの際、急激な温度変化にならないよう、使ったらすぐ戻すなど、工夫しましょう。

柑橘系精油の特徴は?

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最近、テレビの科学実験などで風船が割れる手品などをみたことがあるでしょうか?

あれはオレンジの精油を使ったもので、ゴムや油汚れをよく溶かす性質を利用しています。最近、住宅用の洗剤にオレンジオイル配合というのをよく見かけるようになりましたね。

オレンジの精油が余ってしまって使い切れない場合は、お掃除に活用するのもおすすめ。

重曹(弱アルカリ性の基材)100gに対し、オレンジの精油を5滴ほど垂らしてよく混ぜ、シンクを磨いたり、ガス台を掃除するのに使ってみましょう。

オレンジのいい香りに包まれ、お掃除している間も楽しくなります。

次回3回目は、最もデリケートな香りを持つジャスミンやローズなどの花から精油を取り出す方法「溶剤抽出法」についてご紹介します。