2019.02.01

特徴から選び方まで!キャリアオイルとしての植物油ガイド

shutterstock_536006020

アロマトリートメントや手作りコスメなど、アロマクラフトで使われることの多い植物油(植物オイル)。

香りいう大きな特徴を持つ精油(エッセンシャルオイル)と比べると、種類による違いもわかりにくく、精油の脇役のような存在に思われがち。

でも、植物のパワーが集められたものという点では、植物油も精油に負けないくらいパワフルで、植物油だけでも、肌や髪のケアに十分役立つのです。

この記事では、植物油の基本的な知識と、代表的な種類についてご紹介します。

植物油とは?基本の知識と注意点

shutterstock_736598938
植物油とは、その名の通り、植物を原料にした油(オイル)のことで、精油を使ったアロマクラフトには欠かせない基材のひとつです。

アロマを楽しむために植物油がどのように使われているか、基本的な役割や利用方法について、まずは見ていきましょう。

保管方法など、正しく使うために注意したい点についてもご紹介します。

アロマテラピーにおける植物油の役割

shutterstock_70615120
アロマテラピーでは、原液で直接肌に用いることができない精油を、植物油やグリセリン、精製水などの基材で希釈して使います。

植物油はアロマテラピーで用いられる基材の代表で、植物油で精油を希釈したものは、トリートメントオイルとして肌のケアなどに用いられています。

トリートメントオイルに用いられる植物油には、精油を希釈する他に、精油の成分を皮膚に運ぶという役割もあります。

この役割から、アロマテラピーでは植物油を「キャリアオイル」と呼びます。

「キャリア」とは英語の「carrier(運ぶものや手段)」に由来します。

また、精油を加える前の主成分となる基材という意味で、「ベースオイル」と呼ばれることもあります。

植物油の成分そのものが持つ効果も、忘れてはいけません。

肌を柔らかくして水分保持を助けるなど、植物油だけでもプラスの作用がたくさんあるのです。

子供や妊婦、高齢者など、精油の使用に制限がある人には、植物油のみでトリートメントを行うこともあります。

植物油の利用方法

shutterstock_753784018
アロマのクラフトでは、植物油を様々な目的で利用します。

アロマトリートメント用オイルのキャリアオイルとして精油と組み合わせて使うのが最も一般的ですが、必ずしも精油と組み合せて用いられるというわけではありません。

植物油だけでもフェイスケア用の美容オイルや、ボディケアオイルとして十分な力を持つので、単体の植物油、または用途にあわせて複数の植物油をブレンドして用いることもあります。

植物油以外のものと組み合わせたアイテムとしては、天然塩と植物油で作るマッサージスクラブや、蜜蝋(みつろう)やシアバターと組み合わせて作るクリーム、バームなどが挙げられます。

もちろん、そこに精油を加えることで、植物の恵みをより活用することもできます。

植物油を選ぶ時のポイント

shutterstock_1120730120
植物オイルには様々な種類があり、肌ざわりや伸びの良さ、香りなどがそれぞれ異なります。

肌に使用する際に特にポイントとなるのが「粘性」です。

粘性とは油のねばりの程度を表すもので、基本的に粘性が低いほど、さらさらとした感触で伸びがよく、粘性が高いほど、どろっとした感触で伸びが悪くなります。

アロマテラピーの書籍などで植物油を解説ししているものでは、粘性で特徴を表現していることが多いので、このポイントを覚えておくと、植物油を選択するときに役立ちます。

植物油を使う時の注意点

shutterstock_1081904963
肌に用いる植物油も、食用の油と同様に酸化によって劣化していきます。

植物油を構成する成分の違いによって酸化のしやすさ、つまり劣化のしやすさに大きな差があります。

植物油は、高温多湿を避けて冷暗所で保管するのが基本ですが、劣化しやすい植物油は、短期間で使い切れるサイズを購入し、開封後は出来るだけ早く使い切るなどの注意が必要です。

植物油は精油とくらべると肌への刺激が少ないですが、人によっては肌に合わず、トラブルを引き起こすことがあります。

はじめて使う前には、精油の場合と同様のパッチテストを行うと安心です。

詳しくはこちら⇒アロマを楽しむ基本のキ!精油を安全に使うために覚えることまとめ

単体またはブレンドのメインでの使用におすすめの植物油

shutterstock_631989773
単体、またはブレンドオイルのメインで使う植物油は、伸びがよく肌に馴染みやすいものを選びましょう。

初心者には、その中でも特に、酸化しにくく保存に向いているものを選ぶと安心です。

メインでの使用におすすめの植物油を6つ、ご紹介します。

マカデミアナッツオイル

shutterstock_529928389
マカデミアの種子から取れる植物油です。

人の皮脂にも含まれているパルミトオレイン酸を多く含んでいることがマカデミアナッツ油の特徴で、皮膚になじみやすく、皮膚への刺激も少ないため、スキンケアによく用いられます。

酸化しにくい性質なので、保存にも向いており、初心者におすすめです。

ホホバオイルオイル

shutterstock_1080734576
ホホバの実から取れるホホバ油は、厳密には植物油ではなく植物性液体ワックス(ロウ)ですが、植物油と同じようにキャリアオイルとして用いられています。

ホホバ油は、肌内部の角質層から水分が蒸発するのを防ぐ力が強く、保湿力に優れています。

皮膚への浸透も良く使いやすいため、トリートメントオイルをはじめ、ボディケア用品にもよく配合されています。

冬場など、気温が5℃以下になると固まることがありますが、温めると油状に戻ります。

酸化しにくく保存面でも扱いやすいホホバ油は、初心者に一番おすすめです。

オリーブオイル

shutterstock_212599891
地中海沿岸が主生産地であるオリーブの実から取れるオリーブ油は、料理用の油として有名ですが、キャリアオイルとしても、非常に使いやすい植物油のひとつです。

肌への浸透が良く、肌を柔らかくし水分保持を助けるエモリエント効果に優れているといわれ、保湿力の高さがスキンケアにも生かされるのです。

ややねっとりとした質感ですが、酸化しにくく、保存に向き取り扱いやすいことから、初心者におすすめです。

スイートアーモンドオイル

shutterstock_418220974
スイートアーモンドの種子から取れる植物油です。

よく伸びて扱いやすいオイルなので、アロマトリートメントのキャリアオイルとしてよく使われる代表的な植物油であるだけでなく、古くから化粧品の材料としても用いられてきました。

どんな肌質にも向き、ベビーマッサージでも用いられることの多い植物油です。

やや酸化しやすいため、保存には注意が必要です。

アルガンオイル

shutterstock_76682149
北アフリカのモロッコに自生するアルガンという植物の種子から取れる植物油です。

抗酸化作用を持つビタミンEのほか、カロチンやフィトステロールといった肌の健康を保つために役立つ成分を含むアルガンオイルは、美容の面から注目をされています。

美容オイルに配合されるなど、化粧品の材料としても使われることの多いアルガンオイルは、フェイスケアでよく用いられる植物油です。

傷んだ髪の保護や補修などの目的で、ヘアケアにも使われます。

グレープシードオイル

shutterstock_730102819
ぶどうの種子から取れる植物油で、ワインを作った後の種子がグレープシード油の原料となっています。

さらりとした軽い感触が特徴で、伸びも良いことから、キャリアオイルとして使いやすい植物油です。

ビタミンEをはじめとするビタミン類を含み、スキンケアに使われることの多いグレープシード油は、肌への刺激も少ないことから、敏感肌の方の中にも使用している方がいます。

比較的酸化しやすいため、長期保存はしない、保存方法を守るなどの注意が必要です。

ブレンドでの使用に向いている植物油

shutterstock_628498976
粘度が高くねっとりとした感触の植物油は、肌に乗せた時にも伸びにくいため、メインでの使用にはあまり向きません。

単体での使用も可能ですが、さらっとした軽いオイルにブレンドすることで、使いやすくなります。

肌のお手入れにプラスとなる効果が期待できるものも多いので、トリートメントの目的や肌の悩みに応じて選びましょう。

少量のブレンドにおすすめの植物油を3つ、ご紹介します。

アボカドオイル

shutterstock_577431799
アボカドの果肉の部分から取れる植物油で、淡い黄色~暗緑色をしています。

ビタミンAをはじめとするビタミン類やミネラルが豊富に含まれているので、美容オイルなどに配合されています。

保湿性が高く、乾燥した肌に潤いを与えて柔らかくしてくれるので、乾燥肌のケアにも向いています。

ねっとりとした感触で伸びが悪い性質の植物油なので、他の植物油とブレンドをして用います。

イブニングプリムローズオイル

shutterstock_318314039
日本では月見草とも呼ばれる、イブニングプリムローズという植物の種子から取れます。

この植物油の最大の特徴は、γ-リノレン酸(ガンマ・リノレンさん)という成分を豊富に含んでいることです。

γ-リノレン酸は、皮膚を健やかに保つために必要な物質ですが、人の体内では合成することができない物質で、外から摂取するしかないのです。

γ-リノレン酸は炎症を鎮める作用を持つため、皮膚の炎症などのトラブルのほか、月経痛用のトリートメントオイルにも配合されることがあります。

非常に酸化しやすいため、保存には十分な注意が必要です。

ウィートジャームオイル

shutterstock_594374933
小麦(ウィート)の胚芽から取れる植物油です。

ビタミンEを豊富に含んでいるのが特徴で、ビタミンEが持つ抗酸化作用や血行促進作用などを期待され、他の植物油にブレンドされることがあります。

ねっとりとした重たい油なので、単体での使用には向きません。

ローズヒップオイル

shutterstock_733810849
バラ科の植物であるローズヒップの種子から取れる植物油です。

人の体内で作り出すことのできない必須脂肪酸のひとつ、α-リノレン酸(アルファ・リノレンさん)が豊富に含まれている貴重なオイルです。

肌の老化対策や日焼け肌のケアなど、美容目的で用いられることも多く、美容オイルをはじめ、化粧品の材料としても有名です。

単体でも使うことができますが、ややねっとりとした肌触りと独特の香りがあるため、他の植物油とブレンドするほうが使いやすいです。

酸化が早いため、ブレンドしたオイルも短期間で使い切り、保存にも注意しましょう。

脇役じゃない!植物油のパワーを使いこなそう

shutterstock_1150702229
精油の脇役に見られがちな植物油ですが、実は主役級のパワーを秘めています。

それぞれ植物油の特徴を知っておくと、自分でクラフトする時はもちろん、市販のコスメやボディオイルなどを選ぶときにも役立ちます。

植物油が持つパワーに、もっと目を向けてみませんか?