キャンドルを手作りする機会はあまりないかもしれませんが、ワークショップや動画配信、教室などでその方法を知ることは可能です。
実は、キャンドルのデザインはアイデア次第で無限大。
どんなものを作るのかは、作り手の個性が光る部分でもあるんです。
ここでは、キャンドル作りに興味のある人や、何度か作ったことがある人が、これから新しいキャンドルを作るにあたり、デザイン決めに役立つ情報をご紹介します。
キャンドルをはじめからデザインする際、雰囲気や形などをまず思い浮かべてみましょう。
キャンドル製作に必要な道具や材料は、デザインによって変わってきますから、先にどんなものを作りたいのかをイメージすると効率的です。
デッサンのように絵に描いても良いですし、全く思い浮かばない時には販売されているキャンドルの写真からどんなものが良いか参考にするのも良いですね。
もちろん、販売する目的でキャンドルを作るなら、模倣はご法度ですが、自分の技術を磨くために練習するのであれば、他の人が作成したキャンドルを真似してみたり、デザインのヒントをもらうのもひとつの方法です。
色や形、大きさなどをデザインすることで、適したロウや材料を揃えやすくなります。
例え、ごく一般的なシンプルなキャンドルだったとしても、大きさや色などは思い浮かべて書いておくと整理しやすく便利ですよ。
キャンドルは、ロウそのものの色を活かすこともできますが、着色するだけで個性が出ます。
色付けを行う際は、キャンドル用の顔料が便利です。
身近にあるもので代用する手段としては、クレヨンを使用する方法もよく紹介されていますね。
より美しく仕上げたいのなら、キャンドル用の顔料を用いることをおすすめします。
なお、ロウの種類によって、もともとの色が異なりますので、同じ顔料を同じだけ使ったとしても、ロウの種類によって色の出方は変わってきます。
キャンドルの形については、一番簡単なのが瓶に注ぐ方法です。
これなら、溶かしたロウを注ぐだけなので、型取りの必要はありませんね。
自立型のキャンドルを作る場合は、モールド(型)を使用すると便利です。
モールドは、一般的な円柱型の他に、三角すい型、角柱、球体、卵型などバリエーションに富んでいます。
その他にも、動物型やツリー型などもあります。
モールドの素材は、ポリカーポネイドだったり、シリコンだったり様々ですが、素材によっては香料の使用が適していないものもあるため、あらかじめ確認が必要です。
モールドを使わない場合、ロウの種類によっては手で丸めたり、柔らかいうちに成形できるものもあります。
花の形を模したキャンドルなど、繊細なデザインのものを作る時には、体温程度の熱で変形しやすいロウを使うと便利です。
形はシンプルなものにして、デザインを少し凝ってみたい場合は、色を変えるだけでも雰囲気はガラッと変わりますが、その他にも様々な方法でデコレーションすることができます。
例えば、近年流行しているボタニカル柄にしたい場合、押し花やドライフラワー、プリザーブドフラワーを用いて飾る方法と、キャンドル用のデコペンでペイントする方法などがあります。
ハーバリウムのような見た目にしたい場合は、ジェルキャンドルのロウを使うとそっくりな見た目になりますよ。
繊細な雰囲気にしたいなら、カービングキャンドルがおすすめです。
一度型どったキャンドルを、ナイフで削りデザインしていく方法で、石鹸のカービングに似ています。
上品な柄のペーパーナプキンなどを選びデコパージュするだけでも、とても繊細な雰囲気になりますよ。
ポップな雰囲気にしたいなら、パラフィンワックスを使ったモザイクキャンドルがおすすめ。
あらかじめ色とりどりに着色して細かく砕いたロウを、型のなかに入れてから、溶かしたロウを流し込み固めて作ります。
着色したパラフィンワックスを一度板上に固めてから、小さな型抜きでたくさんのパーツを作り、瓶の中に入れると、キャンディの詰め合わせのようなキュートさが楽しめるキャンドルにもなりますよ。
キャンドルのデザインが決まったら、適したロウを使うことで再現しやすくなります。
まずは、ロウの種類や特徴をしっておくこことが大切ですね。
市販のキャンドルの多くは、パラフィンワックスでできています。
日本では、お仏壇用の一般的なロウソクに使われているロウ、と言ったらイメージしやすいでしょうか。
パラフィンワックスは、すりガラスのような色合いのものが多く、顔料の色が比較的そのまま出やすいです。
融点が低いものを選べば、手のひらの体温で形を変えることも可能なので、粘土のように使って、人形や動物などの形のキャンドルを作りたい人におすすめです。
比較的安価で入手しやすいため、練習のためにたくさん使用したい人にも多く選ばれています。
モールドを使った自立型のキャンドルも固さが十分にあるため作りやすいですよ。
大豆オイルから生まれた植物性のロウです。
近年では、植物性のキャンドルが人気を集めるようになり、ソイワックスで作ったソイキャンドルも注目されています。
火を灯した時にすすが出にくく、空気をきれいにする効果もあると言われているため、無香料のソイキャンドルで生活臭対策をしようとする人も多いです。
ソイワックスは、白い見た目が特徴的で、質感はとてもクリーミーです。
それだけで上品な雰囲気を持ち、柔らかい印象を与えます。
顔料を混ぜると、もともとのロウの色が白色のため、顔料に白色を混ぜたような色に仕上がります。
ソイワックスは、基本的には柔らかい素材のため、自立型のキャンドル製作には不向きですが、ナタネワックスと混ぜると強度が増します。
そして、ソイワックスは一度溶かしてから、混ぜ続けると、ホイップクリームのような質感に代わり、フワフワとした雰囲気のまま固まります。
雪をまとった形のキャンドルを作りたい時には、ソイワックスをホイップしてみてはいかがでしょうか。
透明な、プルプルとしたロウです。
柔らかいコンテナ用と、自立できるハードタイプのものがあります。
透明感のあるキャンドルは、それだけで珍しく、プレゼントにも喜ばれやすいです。
ガラス細工やドライフラワーなどを入れて作ると、夏にも涼しげなキャンドルが出来上がります。
ジェルワックスは、ランタン作りにも適しています。
大小二つの瓶を用意し、大きな瓶のなかに小さな瓶を入れ、外側をジェルキャンドルで製作すると、溶けてなくなることのない、ランタンが完成します。
小さな瓶のなかには、ティーライトキャンドルなどを入れて繰り返し楽しむことができるので、とても経済的。
ジェルキャンドルからこぼれる、小さな炎の明かりはとても美しいですよ。
日本でも古くから愛される、天然のワックスですね。
ハチミツの巣からとれるロウで、他のロウに比べると少し価格が高めです。
本来の黄色いロウのものと、白色に加工されたロウなどがあります。
黄色いロウのものは、ミツロウそのものの香りを楽しみやすく、ハチミツのような甘い香りも魅力です。
その他にも、ヤシの葉から生まれたパームワックスなどもあります。
パームワックスで上手に作ると、固まった時に雪面のようなキラキラした結晶模様が出るのが特徴で、まだあまり認知度は高くありませんが魅了される人は多いです。
さりげない部分でちょっと変わったキャンドルを作りたい、という人におすすめ。
種類によっては、鳥の羽のような模様が出る場合もあります。
デザインや使うロウの種類が決まったら、最低限必要なものを準備しましょう。
どんなキャンドルを作るにしても、ロウを溶かすための道具は必要です。
ロウを溶かすには、熱を加えるしかありませんが、直火にかけるのは非常に危険で、火が燃え移る可能性もあるためやめましょう。
ロウを溶かす時には、湯煎かIHが便利です。
特に、IHは火を使わない上に、持ち運びがしやすいクッキングヒーターも入手しやすいため、作業場での製作には便利ですよ。
ロウを溶かすためのホーロー鍋などは、キャンドル専用のものを用意しましょう。
そして、キャンドルには芯が必要ですね。
芯は、タコ糸などを用いて手軽に作るレシピが紹介してあるものも多いですが、できればキャンドル用の芯が無難です。
キャンドル用の芯の良いところは、サイズが豊富にあることや、安定した炎になりやすい点にあります。
実際に灯すとなると、芯ってとても重要です。
ロウを扱うショップには、芯も必ずといって良いほど販売されていますから、キャンドル専用の芯を使うことをおすすめします。
溶かしたロウをいれる瓶などの容器、もしくはモールド、顔料、香料、デコレーションパーツなどは、作りたいキャンドルのデザインに合わせて準備しましょう。
キャンドルを製作する際は、やけどへの注意はもちろん、ロウをこぼした時のことを考えて準備しておくことも大事です。
ツルツルな机にこぼれたロウは、固まってから比較的簡単に取り除くことができますが、木目が浮き出ているような机や、布、カーペットなどにロウがこぼれてしまった場合、掃除がとても大変。
あらかじめ、こぼれても良いように、新聞紙などを敷いて養生しておきましょう。
製作する時には、慌てなくてもよいように、必要なものはすべて準備しておき、手順をしっかりと把握してからとりかかると気持ちに余裕が生まれますよ。
今回は、キャンドル製作に役立つ情報をまとめてご紹介しました。
キャンドルのデザインがなかなか思い浮かばない場合は、机に向かって考え続けるよりも、敢えて出掛けたり散歩しながら景色を眺めることで、良いイメージが浮かぶかもしれません。
季節に合った植物や、キャラクターなどを意識してデザインするのもひとつの方法です。
ぜひ、オリジナルのキャンドル作りに挑戦してみてくださいね!