2018.07.03

若返りの水「ハンガリアンウォーター」の歴史とレシピの活用法・前編

shutterstock_525012067

スポーツの後の筋肉痛。天候不順になると関節が痛む。あるいは、手の使い過ぎで腱鞘炎になってしまった、毎日肩が凝って辛いなど、痛みに悩まされた経験は誰にでもあります。

体が痛いときは、当然、心も痛みを感じています。そんなときは、アロマ(精油)を使って上手にケアしたいものです。

今回は世界最古の芳香治療水と伝わる「ハンガリアンウォーター」を前編・後編の2回にわたってご紹介しましょう。

前編ではその歴史と伝統的なレシピについて、後編では精油を使い現代風にアレンジしたレシピと活用法をお伝えしていきます。

「ハンガリアンウォーター」誕生にまつわる伝説とは?

shutterstock_162008987
「ハンガリアンウォーター」の起源は1370年。とある隠者(日本でいえば仙人のような人)が、ハンガリー王の王妃であるエリザベート(ポーランドの女王で正式にはエルジュビェタ)に贈ったレシピといわれています。

「ハンガリアンウォーター」は別名「若返りの水」ともいわれていますが、その誕生は伝説に彩られ、正確なところはわかっていません。

国王を戦争で失った後、ハンガリーを治めてきた王妃でしたが、60歳を迎えてから病に伏せる(痛風ともリウマチともいわれている)ことが多くなったそうです。

そんな時に、侍女に勧められ、王妃は森に住んでいる隠者に会いに行きます。

この時与えられたレシピを元に、錬金術師(当時の化学者)に作らせたのがハンガリアンウォーターでした。

女王を見違えるように若返らせた秘密とは?

shutterstock_655054684
このローズマリーを主成分とする、アルコールベースの芳香水を朝に晩に使用したエリザベート王妃。

体の痛みはもちろんのこと、肌も若々しく美しく蘇り、70歳を過ぎているというのに推定20代のポーランド王から求婚されたそうです。

この逸話には諸説あり、伝説の域を超えませんが、中世のヨーロッパで起きた「神の奇跡」として伝えられてきたものの一つと思われます。

ちなみに、こちらのエリザベート王妃。日本で人気のオーストリア・ハンガリー帝国皇后エリザベートのことではありません。

ハンガリー王妃を癒した奇跡の水、その伝統的なレシピとは?

shutterstock_1011032344
当時はハーブの薬効をアルコールで抽出して活用していました。

一説によるとローズマリーの穂先、メリッサの葉、シトロンの果皮などを用いて作ったと伝わっています。

レシピには諸説あり、どれが正しいとはいえませんが、そのうちのひとつをご紹介しましょう。

<伝統的レシピ>
・ローズマリー 大さじ5
・ペパーミント 大さじ3
・バラの花びら 大さじ3
・レモンピール 小さじ1
・オレンジエッセンス 
・ローズエッセンス
・60度アルコール(ウォッカ)3カップ
 
オレンジエッセンスは、オレンジピール(小さじ1杯程度)で濃い目にいれたハーブティーの上澄み1/4を使用。

ローズエッセンスはバラの花びらで濃い目のハーブティーを入れ、上澄み1/4を使用。

ドライハーブにしたローズマリー、ペパーミント、バラの花びら、レモンピールはすべてすりつぶして、オレンジエッセンスとローズエッセンスとともにアルコールに浸し、煮沸消毒したガラス瓶に詰めます。

日なたに3か月間置き、毎日200回降ります。3か月後、中身をコーヒーフィルターで濾して新しい瓶に詰めなおします。

熟成させればさせるほど、素晴らしい芳香水になるといわれています。

現代人にとっては、気の遠くなるような作り方ですね!

「ハンガリアンウォーター」は神の奇跡のひとつ?

shutterstock_580767820
中世のヨーロッパはキリスト教を中心とする中央集権国家。体の不調を感じると教会へ行き、治療してもらうのが当時のやり方でした。

教会の裏庭には必ず秘密の畑があり、そこで薬効の高いハーブ(薬草)を育ててきました。

各教会に伝わるレシピは門外不出とされ、ここで行われた治療で治ればそれはまさに「神の奇跡」。

教会で起きた数々の「奇跡」は民衆の心をつかみ、大勢の信者を獲得してきたことでしょう。

おそらくハンガリアンウォーターもその奇跡の一つ。薬効のあるお酒として飲まれたり、痛み止めとしてつけたり、香水として楽しんだりしたのではないでしょうか。

次回、後編では忙しい現代人のために、精油で代替したレシピをご紹介します。

心に響く「奇跡の癒しの力」を上手に活用する方法も伝授しますよ!