2018.12.14

調香を楽しむための基礎知識1
フレグランス・チャート式香りの分類方法

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気に入った精油をいくつか購入したら、それらを組み合わせてオリジナルの香りを創作してみませんか?

単体で使用したときも広がり、奥行きのある香りを作れるようになったら楽しいですよね。

ブレンドがうまくいったときはさらに嬉しいものです。プロの調香師とはいかないかもしれませんが、お部屋の香りを演出する上で、気に入った香りが身近にあるのはとてもリラックスできるものです。

そこで自分で香りをブレンドするための基礎知識について全4回に渡り、解説していきます。

1回目の今回は精油の香りを分類する上で最も一般的といわれている「フレグランス・チャート式」を使って、ブレンドの基本について紹介していきます。

また、「フレグランス・チャート式」に基づき7つに分類した香りの特徴や精油の種類についても解説します。

2回目はブレンドの鍵となるノート(香調)、3回目は心理的・肉体的作用から精油を分類する「サイコ・アロマチャート式」について、4回目は歴史にその名を遺した名香からブレンドのヒントを探ります。

フレグランス・チャート式とはどんな分類方法?

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香りを持つ植物から抽出される精油。芳香物質を持つ植物は約3,000種類あるといわれていますが、そのうち、アロマテラピーなどで利用されるのは約200種類ぐらいといわれています。

その中で安全に使えるものはさらに絞られていきます。それでも80種類前後はあるでしょうか?

私たちが普段接していないような特別な精油もたくさん。これらの香りからどのように選びだし、組み合わせるか何か手掛かりになるものが欲しいところです。

そこで考え出されたのが「フレグランス・チャート」というもの。

植物の種類をもとに香りのイメージで7つに精油を分類します。

花(フローラル系)の香り、柑橘系の香り、ハーブの香り、樹木の香り、スパイスの香り、樹脂の香り、エキゾチックな香り。
ブレンド
それぞれ隣同士にある香りとは相性がよく、組み合わせやすい香りと言われています。

例えば、ハーブ系の精油なら、お隣の柑橘系や樹木系の香りとブレンドするとよいという具合です。

フレグランス・チャート式を活用してオリジナルの香りを創る

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では、具体的にどのように香りをブレンドしたらいいのかを説明しましょう。

まず最初は、自分がいまいちばん好きな香りを1本選んでみましょう。

例えば、カモミールだとすると、その隣りにある柑橘系の香りから合わせやすいものを1本選びます。甘いトーンにしたいならオレンジがおすすめです。

さらにもう1本、エキゾチックな香りからサンダルウッドやパチュリーと組み合わせれば、長くしっかり香るブレンドに。

一つ飛んでハーブの香りと合わせるなら、ペパーミントを組み合わせて、すっきり甘いお菓子のようなトーンのブレンドにまとめることもできます。

このように、ひとつひとつ試しながら、時には失敗しながら、自分なりのお気に入りのブレンドを完成させていくのも楽しいですよ。

何滴ずつブレンドしたらいい?

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精油のオリジナルブレンドですが、どのような用途で使うかにより、量や保存方法が異なります。

例えば、お部屋やオフィスでディフューザーを使って香らせたいという場合。10ml入るドロッパー付きの遮光瓶を購入し、こちらに精油を直接垂らして、原液ブレンドのまま保存しておきましょう。

全体で10滴になるように調整します。

精油はメーカーにより、1滴当たりの容量が異なりますが、一般的には0.05mlでるように調整されていることが多いようです。

先ほどのブレンド例でいえば、ペパーミント2滴・カモミール2滴・オレンジ6滴というように好みの割合を探してみましょう。

カモミールは香りの個性が少し強いので少な目の方がうまく行きます。

ルームスプレーに使いたいときは、30mlのスプレーボトルにアルコール(無水エタノールなど)5ml入れ、自分でブレンドした精油を合計10滴入れてよく溶かした後、最後に精製水を仕上がり25ml入れます。

原液のままのブレンドであれば、半年ぐらいは持ちますので、気に入った組み合わせが見つかったら、多めに作っておいてもいいですね。

7つにグルーピングされた香りの特徴と精油の種類は?

それでは具体的に、フレグランス・チャート式で7つに分けられた香りの特徴や精油の種類についても簡単に解説していきましょう。

花(フローラル系)の精油

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文字通り「花の香り」を持つ精油のこと。ローズやジャスミン、ネロリ、ゼラニウム、ラベンダー、カモミールなどがこれに当たります。

ローズやジャスミンのように甘く華やかな香りを持つものから、ゼラニウムのようにグリーントーンを感じるもの、ネロリのようにちょっと苦みを感じるもの、カモミールのようにリンゴのようなフルーティさを感じるものとさまざまです。

花の香りは隣り合う柑橘系やエキゾチックな香りと相性がよく、組み合わせやすいグループです。

エキゾチックな精油

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オリエンタル調ともいわれ、ヨーロッパからみた東の国のイメージ。つまり、エジプトやトルコ、アラブなど中近東の国を思わせるものを差します。

サンダルウッド(ビャクダン)やパチュリー、ベチバー、イランイランなどがこれに当たります。

サンダルウッドは日本人におなじみのお線香の香り。パチュリーは東南アジア原産のシソ科の植物で、スモーキーで深く甘い香りと表現されます。ベチバーもやはり東南アジア原産でイネ科の植物、重く深く土臭い香りです。

イランイランは非常に濃厚なフローラル系の香り。

エキゾチックな香りは、隣り合う花の香りや樹脂の香りと組み合わせるとまとまりやすいでしょう。

樹脂系の精油

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樹脂とは、樹木を傷つけたときにでてくる樹液が固まったもの。日本人にとってなじみがある樹脂といえば、松脂や漆、柿渋、琥珀でしょうか。

アロマテラピーでよく使われる樹脂の香りは、ミルラ(没薬)、フランキンセンス(乳香)、ベンゾイン(安息香)など。

ミルラ(没薬)は苦味のある薬のような香り。防腐効果が高く、古代エジプト時代にミイラづくりに使ったことから、その語源になったといいます。

フランキンセンス(乳香)はウッディなスパイシー調。ややレモンを思わせるようなすっきりとした香り。

最後のベンゾイン(安息香)は、バニラのような甘い香りが特徴。

樹脂系の香りは隣り合うエキゾチックな香りやスパイスの香りとブレンドすると相性がいいといわれています。

スパイスの精油

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香辛料として身近な存在のスパイス。肉や魚の臭みをとり、ピリッとした味のアクセントとして普段からお料理で大活躍しています。

ブラックペッパー、カルダモン、ジンジャー(ショウガ)などです。

ブラックペッパーは、スパイスの精油の中では最も使いやすい辛味のあるピリッとしたおなじみの香りです。

カルダモンはインド料理でおなじみの香りで、マサラティーに入っていますね。甘くスパイシーな香りがします。

ジンジャーは日本人にもおなじみの香りですね。

スパイスの香りは隣り合う樹脂の香り、樹木の香りとよくあいます。

樹木の精油

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いわゆる森林浴の香りは、日本人にとってなじみやすい香りの一つ。すっきりとした空気を洗うような清涼感は、イライラを鎮めてくれます。

サイプレス、シダーウッド、ジュニパー、ティートリー、プチグレン(オレンジの木の枝葉)、ユーカリなどです。

サイプレスはヒノキ科の木でスパイシーなトーンのあるウッディな香りです。

シダーウッドは2種類あって、シダー・ホワイト(Cedrus atlantica=セドラス・アトランティカ)と、ログハウスやウッドデッキに使われるレッド・シダー(Juniperus virginiana=ユニペルス・ヴァージニア)。すっきりとしたドライな香りです。

ジュニパーは実の部分を蒸留します。お酒「ジン」の香りづけに使われており、ウッディな中にスパイシーさ、くっきりとしたフレッシュ感も感じさせる香りです。

ティートリー、ユーカリはオーストラリア原産で、どちらもツンとした薬品臭とすーっとしたトーンが特徴です。

プチグレンはビター・オレンジの木の枝・葉を蒸留したもの。ウッディな中にオレンジの花(ネロリ)や果実のトーンもあるユニークな香り。ネロリが高価で使えないときに代わりに使うこともよくあります。

樹木の香りは隣り合うスパイスやハーブの香りと相性がいいでしょう。

ハーブの精油

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ハーブの香りはペパーミント、マジョラム、ローズマリー、クラリセージなどがよく利用されています。

すーっとしたメントール臭が特徴のペパーミント。マジョラムは温かみのあるスパイシーさと甘さが特徴です。

ローズマリーはシャープでクリアな香りで、一度かぐとぱっと目が覚めるようなトーンがあります。

クラリセージはシソ科の植物で、やや重くナッティ(ナッツ調)な香りとよく表現されます。鎮静作用が高く、心身をゆるめてくれるのはマジョラムとよく似ています。

ハーブの香りは隣り合う樹木や柑橘系の香りとブレンドするのがおすすめです。

柑橘系の精油

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こちらはおなじみのフルーツの香り。オレンジ、レモン、グレープフルーツ、ベルガモット、ライムなどです。日常的にデザートとして食べているものなので、香りも想像しやすいですね。

ちなみに、本来はハーブであるメリッサ(レモンバーム)やレモングラスは、レモンのような香りがすることから、柑橘系の精油に分類されます。

柑橘系の香りは隣り合う花の香りやハーブの香りと相性がいいといわれていますが、基本的にどのグループの香りとも合わせやすい万能の香りです。

自分でオリジナルブレンドを楽しむまとめ

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「フレグランス・チャート式」を使うと、相性のいい香りを選ぶ一つの基準になります。

最初はなかなかうまくブレンドできないかもしれませんが、チャレンジあるのみ!

精油は1滴の増減でまったく違った表情を見せてくれるので、同じ種類で滴数を変えるなど、何度も挑戦してみましょう。

次回はまとまりのあるブレンドをつくるカギとなる、ノート(香調)について解説します。