2018.11.20

伝統的なお香に使われる素材の種類と調合のコツを紹介します!

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お香には、様々な香料が使われます。

最近では、アロマオイルなどの華やかな香りもたくさん使われるようになり、多くのかたが楽しみやすいバリエーションになっています。

線香にも、ラベンダーやローズなどの香りが使われたものが販売されていますよね。

一般的に、お香と聞くとお寺で香る線香のような、和の香りをイメージするでしょう。

ここでは、お香に使われてきた伝統的な香料についてご紹介します。

お香に使われる香料

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伝統的なお香に使われている香料は、香木などの天然素材で作られています。

たとえば、樹木や樹脂、果実、スパイス、動物の生殖器の分泌物など、植物性のものと動物性のものがあります。

アロマオイルは植物などを蒸留、その他の方法で抽出したもので、必ずしも素材と抽出物が同じ香りとは限りません。

しかし、伝統的な香料は素材そのもののため、しっかりとした香りが楽しめます。

伝統的な香料を使ったお香は、香料そのもの、つまり素材そのものの香りを楽しむことができるんです。

伝統的な香料

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それでは、伝統的な香料にはどのようなものがあるのでしょうか。

自然から採取できる香りは、とても奥深く、様々です。

香料を言い表す時、甘味・辛味・苦味・酸味・軽い・重いで表現します。

今回ご紹介する香料も、一部このような表現を用いますので、参考にしてみてくださいね。

香料の代表的存在「沈香」

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沈香(じんこう)は、お香によく使われ、代表的な存在と言っても良いでしょう。

ジンチョウゲ科の木から採れる樹脂を乾燥したもので、加熱することで香ります。

ベトナムやタイ、マレーシア、インドネシアなどで採れますが、乱獲によりワシントン条約に指定されています。

香りが出るようになるのは、何年もの歳月が必要で、できたての樹脂では香料としての役目をあまり果たせません。

歳月をかけて成分が変化し、強く香るようになるため、長い年月の経ったものほど品質が高いとされています。

沈香の最高級品として知られる伽羅(きゃら)は、本来は温めないと香らない沈香が、常温でもしっかり香るほどで、古いものほど貴重です。

サンダルウッドで知られる「白檀」

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白檀(びゃくだん)は、サンダルウッドとも呼ばれ、アロマオイルとして活用されることも多く、たくさんの人がなじみのある香りです。

仏具や扇子の材料として使われることもあるため、意識せずとも香りに心当たりがある、という人も多いですね。

ビャクダンの木そのものの香りで、芯にいくほど強く香ります。

アロマオイルの中では渋く重めの香りと認識されることも多いですが、香料の中では甘く爽やかな香りと表現されます。

インドやインドネシアから産出されており、特にインドのマイソール地方のものが品質が良いとされています。

誰もが知る「桂皮」

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桂皮(けいひ)と聞いただけではピンとこないかもしれませんが、シナモンと聞けば誰もが知っているでしょう。

日本では、ニッキと言われることもありますね。

桂皮はクスノキ科の木の樹脂を乾燥したもので、産地により香りが若干異なります。

ご存じの通り、食用として用いられる機会も多いほか、薬用としても活躍しています。

中華料理でよく見る「大茴香」

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大茴香(だいういきょう)は、スターアニス、または八角とも呼ばれます。

星形でかわいらしいスパイスで、杏仁豆腐や肉料理の風味付けによく使われます。

ややクセのある、軽めでさっぱりした香りが特徴です。

刺激的な香り「丁子」

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丁子(ちょうじ)は、丁字とも表記され、英語ではクローブのことを指します。

チョウジの木の花のつぼみを乾燥させたもので、辛味のある刺激的な香りが特徴です。

安らぎの香り「安息香」

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安息香(あんそくこう)は、エゴノキ科の木から出る樹脂を乾燥させたもので、濃厚で甘い香りが特徴です。

息を安定させるという意味合いから名付けられたと言われています。

儀式で用いられる「乳香」

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乳香(にゅうこう)は、乳白色をした樹脂で、カンラン科の木から採取されます。

甘い香りが特徴で、古くから儀式などの神聖な場で用いられてきました。

現在も、キリスト教の協会では大切に使われています。

エキゾチックな強い香り「麝香」

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麝香(じゃこう)は、ムスクとして香水やフレグランスの定番になっているほど、よく知られた香りです。

ムスクの名前を知っていても、麝香という名は初めて聞く人も多いかもしれませんね。

麝香は、麝香鹿のオスの生殖器の分泌物でできています。

麝香鹿は発情期になると、生殖器に香りの成分をためる特性があり、その時期を狙って狩猟します。

原液はとても強い刺激性のある香りなので、使う時には千分の一にまで薄めます。

他の香料とブレンドして使うことが多く、香りに深みや厚みをもたせる効果が期待できます。

その他

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・山奈(さんな)

ショウガ科の植物のバンウコンの根と茎を乾燥させたものです。

まさにショウガに似た、すっきりとした香りと白っぽい見た目が特徴で、胃薬や虫除けにも使われます。

・龍脳(りゅうのう)

古くから世界中で使われており、日本では古墳の中の遺骨からも検出されています。

防腐剤や墨汁の香り付けなどに活用されており、清涼感のある軽い香りが特徴です。

インドネシアやマレーシアに生える龍脳樹という、高さ50mにもなる大木の隙間にできる結晶のことで、やや茶色がかったクリーム色をしています。

・霍香(かっこう)

精油のパチュリとして知られる機会が多いです。

シソ科の多年草の植物で、シソに似た爽やかさや軽くてやや甘味のある香りがします。

・甘松(かんしょう)

苦く重い香りで、単独ではあまり使用することがありません。

しかし、他の香料と混ぜると深い甘味を感じる香りとなり、深みのある香りへと変化する不思議な香料です。

特に沈香との相性が良いため、沈香をベースに作るお香によく用いられます。

甘松は、インドや中国などの高山地帯に自生する多年草で、根や茎を乾燥して使用します。

・貝香(かいこう)

巻き貝のフタを乾燥して粉状にしたもので、そのものの香りはありません。

しかし、他の香りを引き立たせたり、香りを長持ちさせ安定させる役割を担います。

日本では奈良時代から使っていたと言い伝えられています。

その他にも、辛味の強い零陵香や、軽く甘い香りの排草香、苦味とさわやかさを感じる木香などが多く使われています。

お香作りに適した形状

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お香作りには、お香の種類によって香料の形状を使い分ける必要があります。

たとえば、香木をそのまま焚いて楽しむ時には木片状に加工してあるものを使います。

また、匂い袋や文香を作る時には、刻んであるものを使ってブレンドします。

一般的に広く知られるコーンタイプのお香や、線香、練り香、印香を作る時には、粉状に加工してあるものを使います。

お香を手作りする時には、何を作りたいかによって香料の形状が異なるため、注意が必要です。

香料を調合する時のコツ

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はじめて香料をブレンドする時には、何をどう混ぜて良いのか分からない、混ぜてしまったら後戻りできないから勇気が出ないなど心配する人も多いでしょう。

お香は、作る人によって千差万別の組み合わせがあり、その個性を楽しむのも魅力の一つです。

調合によっては、予想していなかった香りができることもあり、一度作るとどんどん試したくなるでしょう。

では、実際に香料を調合する時にはどのような点に注意すれば良いのでしょうか。

香料の特徴を知る

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香料は、今回ご紹介しただけでもたくさんの種類がありましたね。

それぞれ香りの特徴や強さが異なるため、まずは一つずつ実際に香りを確かめてみましょう。

香料をブレンドすることで、香りのイメージがガラッと変わることがありますが、もともとの素材の特徴をよく知っておくとその変化もおおいに楽しめます。

どんなお香にしたいか考える

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お香のテーマやイメージを明確にすることで、目指す香りをしっかり定めることができます。

単に好きな香りにしたい、などのぼんやりしたイメージだと、香りの最終地点が見つからずブレブレになってしまうこともあります。

たとえば、どんな場面で使いたいか、誰と使いたいか、プレゼントにするならどんな人に似合うかなどを思い浮かべることで、香りのイメージが絞り込みやすくなります。

また、季節や感情、使いたいシーンなどを想像すると、より香りのイメージが明確になるでしょう。

香りの強いものは極少量から

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香料によって、香りの強さは異なります。

ベースの香料を決めたら、加える香料は少しずつ足していくことが大切なポイントです。

香料の中には、ほんの微量でガラッと印象を変えるものもあるため、失敗しないようにするにはこの手間を省くことはできません。

ほんの少し足して香りを確かめ、またほんの少し足す…を繰り返していきましょう。

なお、香料を足すごとにきちんと万遍なく混ぜ合わせることも忘れずに行いましょう。

単品では苦手な香りでも、調合することにより好きな香りへ変化する可能性が大きいのがお香の醍醐味です。

苦手だから使わない、ではなく、ほんの少し混ぜることから始めていき、それぞれの香料が引き立つ道を見つけると、さらに楽しみが増えますよ。

実際に焚いてみる

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香料の調合は、実際に焚いてみることでヒントになることもあります。

香りは時間とともに変化します。

始めて香ったときの印象と、長く香っていたあとの残り香では印象が違うこともしばしばあります。

香料は一種類でもお香として成立しますが、いくつかの種類を調合することで深みが増し、香りの変化を楽しむことができます。

初めて調合する時には、少量で成形し、実際に使った時の香りを確かめてから同じものを再度作ったり、アレンジしたりすると良いでしょう。

お香が好きなかたは、ぜひオリジナルの香り作りも楽しんでみてくださいね。

お香づくりに必要な材料、香料などは、お香専門店で購入できるほか、インターネットで購入することもできます。

初心者のための調合セットなど、あらかじめ必要なものが揃っているものもあるため、これから始める人はセットで購入すると良いですよ。